2020/08/03

あっという間に８月です。鹿児島はクラスターが複数発生しておりますが、関係各所の迅速な対応のおかげか、早期に囲い込みができており、８月２日には発症者０人を記録するなど、なんとか医療崩壊にならずに踏みとどまっていると思います。お知らせにも書いておりますが、お盆明けの診療につきましては、通常診療は行ってはいますが、お盆中に帰省されたり、また帰省の家族を迎えた患者さんにおきましては、どうぞ数日の経過観察期間を置いてから受診をされるようお願いいたします。私が考えるにGOTOと帰省は似て非なるもので、単に家族旅行は移動を伴うものなので、第三者とソーシャルディスタンスを保っていれば家族に陽性者がいなければリスクは感染リスクは低いと考えられますが、帰省は多世帯が一堂に集まり、マスクもせずに３密の状態で会食をするという事態になりますので、感染リスクとしては比になりません。それでも自分の家族親戚は大丈夫かと思われるかもしれませんが、この状況で親戚で集まろうという話が上がる時点で、普段から会食などを控えているとは思えないのでお盆明けに鹿児島でもいくつかのクラスターが起こってしまうのではないかと危惧しております。少なくてもGOTOで移動はOKだから帰省もいいでしょうという考えは危険だと思います。日本人は自然免疫を獲得しているから、コロナにかかっても重症化しないから大丈夫という理論もあり、それもわかるのですが、新型コロナの歴史が浅いので、人種の問題なのか、気候の問題なのか、自然免疫の問題なのか結論付けるのはまだ危険です。来年の冬場に今のように重症化する人が少なければ自然免疫理論もまだ信頼度が高くなりますが、単に夏の気候で病原性が低くなっているだけかもしれません。条件が違うのに4月頃の状況と比較するのは違うと思うわけです。なにより治療法も治療薬もワクチンも確立してないわけですから、それまではかからないに越したことはありません。私の母校の高校でも学校クラスターが発生したようです。教員からの可能性が高いようですが、若者は無症候感染も多いので、学生経由とも言えないわけではなく、私も通学が嫌になるくらい、すごい混雑したバスに乗せられていましたから、当時の状況がそのままなら、更なる感染拡大は避けられないかなと思っています。当院でも帰省予定がある手術患者さんは９月以降に延期するなどの対応をさせて頂いております。幸い重症者が少ないようですが、たまたま気候的に病原性が落ちているだけで、また冬になると重症者が増える可能性もあります。皆さんも感染しないことだけではなく、感染しても他人に感染させないことを心掛けて行動するようお願いいたします。